京都、西陣織ってなんだ ①

2020年05月16日

にしじんおりってなんだ 

ちまたでよく聞く「西陣織」とは、高級帯の代表格を指しあらわすことが多い。

しかし、西陣織と一言でいえど、帯だけでなく、金襴緞子、能装束、さらにはネクタイにいたるまで、様々な商品がある。

そこで、西陣織とはなんぞや、を少しづつ書いてみようと思う。

西陣織は、国によって伝統的工芸品に指定・定義づけされていて、主に、京都市内の『西陣』地域を産地としている。

この『西陣』という呼称は、1467年(室町時代)から始まった応仁の乱で、西軍山名宗全氏が陣を置いた地域から端を発している。戦いが終結し、戦火より逃れていた織物職人が京都へ帰り、西陣地域にギルドを置いたことが発祥とされる。

かの有名な、安倍の清明神社の鎮座するすぐ北側に西陣織の拠点、西陣織会館がある。その会館の中に、西陣織工業組合があり、西工組合に属する機屋のみがその商品に証紙をつけて、『西陣織』と称することができる。

そんな歴史の深い西陣地域の機場もこのところは廃業が進み、京都府の丹後地方に機場や工場を持つ機屋さんも多い。

ちなみに、当工房もNO.2446のナンバーをもってはいるが、老舗のならぶこの業界内では、かなりの新参者。機場も、主に丹後の工場での生産となっている。

そんな新参者のわたしたち和工房明月のポリシーは、老舗の重さは背負わずに、その伝統の技術やエッセンスを継承して、それらをフルに活用し、帯サイズの約34センチ幅でやりたい表現やできることすべてを追求すること。

古きにわたる知恵、叡智を使って、新しい表現を開拓すること。それが、伝統産業を継承した私たちの使命なのではないかと考えている。